VIX(CBOE Volatility Index)

S&P 500 オプションのインプライド・ボラティリティから算出される市場の予想変動率(恐怖指数)。

ボラティリティ 指標 リスク

定義

VIX(CBOE Volatility Index) はシカゴ・オプション取引所(CBOE)が算出する、S&P 500 のオプション価格から導出される30日先の予想ボラティリティ(年率換算)を示す指数です。一般に「恐怖指数(Fear Gauge)」とも呼ばれ、市場の不安度合いを測る代表的な指標です。

算出の概要

VIXはS&P 500オプションの複数の行使価格のプレミアムを用いて、暗黙のボラティリティ期待を統計的に表現します。単純な移動平均ではなく、オプションの「時間価値」を反映した方法で算出されます。

解釈

  • VIXが高い(例:30以上) → 市場が将来の大きな変動を予想している(不安・混乱の兆候)。
  • VIXが低い(例:10〜20) → 市場が安定または楽観的であることを示唆。

ただし、VIXは「予想(インプライド)ボラティリティ」であり、実際に実現されるボラティリティ(実現ボラ)とは異なります。

特性

  • 平均回帰性:VIXは長期平均に戻る傾向があるため、短期的な上昇はしばしば戻りを伴います。
  • 逆相関:一般にS&P 500 と逆相関の関係にあり、株安局面でVIXは急騰しやすい。

取引とリスク

直接的に VIX を現物取引することはできませんが、以下の手段でボラティリティにアクセスできます。

  • VIX 先物:30日先のボラティリティ期待に基づく先物。VIX先物は現物のVIXと異なり、先物曲線(コンタンゴ/バックワーデーション)を持つ。
  • ETN/ETF(例:VXX 等):VIX先物に投資する商品。短期的なヘッジには使えるが、長期保有ではロールコスト(コンタンゴ)によりパフォーマンスが劣化することが多い。
  • オプション戦略:プット購入やオプションのスプレッドでボラティリティをヘッジする手法。

コンタンゴとバックワーデーション

  • コンタンゴ:近月先物よりも遠月先物の価格が高い状態。ロールオーバー(近月から遠月へ乗り換え)でコストがかかるため、ETN保有者の多くは価値が減少しやすい。
  • バックワーデーション:近月先物が遠月より高い状態。ヘッジ効果が強まりやすい。

実務上の注意点

  • VIXはS&P 500オプションに基づく「期待」であり、実際のリスクや損失額をそのまま表すものではありません。
  • VIX関連商品は構造上のコストや追従性の問題があり、長期投資の手段としては注意が必要です。
  • ヘッジ目的での短期的な利用やセンチメントの指標としての参照には有用です。

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