🌀 ベナーサイクル (Benner Cycle)
19世紀の米国農家サミュエル・ベナーが提唱した景気循環。
「不況 → 啓蒙 → パニック」の3つのフェーズが、約16〜20年周期で繰り返すと予測したモデルです。
🌱 啓蒙サイクル
経済が拡大成長する局面。バブルの形成期で、終盤になるとドカンと弾けてパニックの始まりとなります。
💥 パニックサイクル
バブルの弾け、経済の後退局面。
株価や資産価格が急落し、信用収縮が広がります。
❄️ 不況のサイクル
経済低迷、底値圏で停滞する局面。
投資家にとっては「仕込み」のフェーズと捉えられることも。
📊 サイクル年表 (1924 - 2069)
📜 前史 — 理論の原点となった3つの恐慌
1875年に米国農家サミュエル・ベナーが著書『Business Profits』で提唱した本理論は、当時の主要な恐慌を観察した結果から導かれました。
- 1873年恐慌Panic of 1873。鉄道バブル崩壊と銀行破綻により欧米同時不況。ベナーが理論構築の起点とした事件。
- 1893年恐慌Panic of 1893。鉄道会社の破綻連鎖と金本位制の動揺による長期景気悪化。
- 1907年恐慌Banking Panic of 1907。銀行不安と金融市場の混乱。FRB創設(1913)の契機に。
その他、1919年の戦後バブル高値・1921年の戦後恐慌の底などもベナーサイクルの周期上のマーカーとして言及されることがあります。
⭐ 主な的中例
ベナーサイクルが「当たった」とよく挙げられる代表的な事例。実際の事件から1〜2年ずれて説明されることが多いことに注意してください。
| 年 | フェーズ | 出来事 |
|---|---|---|
| 1919 | 🌱 高値 | 第一次世界大戦後のバブル |
| 1921 | ❄️ 安値 | 戦後恐慌の底 |
| 1927 | 🌱 高値 | 大暴落直前の過熱 |
| 1929 | 💥 パニック | 世界恐慌(ブラック・サーズデー) |
| 1945 | 🌱 高値 | 第二次世界大戦終結時の高揚 |
| 1965 | 💥 パニック | 60年代バブルの終焉 |
| 1981 | 🌱 高値 | インフレ・株価のピーク |
| 1987 | 💥 パニック | ブラックマンデー |
| 1999 | 💥 パニック | ITバブル崩壊(2000年〜) |
| 2007 | 🌱 高値 | リーマンショック直前の高値 |
| 2019 | 💥 パニック | コロナショック直前 |
| 2021 | ❄️ 安値 | コロナ禍からの回復・底打ち |
| 2023 | ❄️ 安値 | 利上げ局面での市場の底 |
⚠️ ご注意
- ベナーサイクルは経験則に基づく周期仮説であり、将来の市場動向を保証するものではありません。
- 後付け解釈の側面も多く、資料によって「当たった年」の取り方が前後1〜2年ずれて説明されることが頻繁にあります。
- 実務的には「未来予測の確定版」ではなく、大きな相場変動を意識するための参考パターンとして捉えるのが無難です。