1990年 米国株価について

湾岸危機と景気後退でS&P 500が調整した1990年の動きと要因。

米国株 S&P 500 景気後退

1990年 米国株価について

1990年の米国株(S&P 500)は、「不況の足音と湾岸危機のダブルパンチ」に見舞われた厳しい1年でした。 主な特徴と動きをまとめます。

1. 株価の推移:約7年ぶりの年間マイナス

1990年のS&P 500は、年初から年末にかけて約-6.6%(配当込みで-3.1%)の下落となりました。これは1980年代の強気相場が続いていた中、1982年以来の本格的な調整局面でした。

  • 1月〜7月: 前年の好調を引き継ぎ、7月16日に当時の最高値(368.95ドル)を記録。
  • 8月〜10月: イラクのクウェート侵攻(湾岸危機)により原油価格が急騰し、株価は急落。
  • 11月〜12月: 景気後退(リセッション)への懸念が強まり、低迷したまま越年。

2. 下落の主な要因

  • 湾岸危機と原油高: 1990年8月にイラクがクウェートを侵攻したことで原油価格が2倍以上に跳ね上がり、インフレ懸念が株価を直撃しました。
  • 景気後退(リセッション): 1990年7月から1991年3月まで、米国は公式にリセッション期間に入っていました。
  • S&L危機(貯蓄貸付組合危機): 金融機関の経営破綻が相次ぎ、信用不安が広がっていた時期でもあります。

3. 当時の主な指標(概数)

  • NYダウ: 年初2,700ドル付近 → 年末2,600ドル付近
  • 政策金利: 景気後退を受けて、FRBは金利を8.25%前後から徐々に引き下げ始めていました。
  • 日本との対比: 日本では1990年からバブル崩壊が始まり、日経平均は年間で約38%も暴落しました。米国株も下がりましたが、日本ほどの致命的なダメージではありませんでした。

この後、1991年に湾岸戦争が終結に向かうと米国株はV字回復を見せ、1990年代の黄金時代(ドットコムバブルへ続く上昇)に突入します。